Jリーグサッカーキング12月号|Save Our Verdy〜ヴェルディ再建計画
川勝良一(東京ヴェルディ監督)
川勝良一は妥協を許さない厳格な姿勢で知られる指導者だ。力を出し惜しみする怠慢などもってのほか。軽率なプレーは容赦なく叱り飛ばし、プロとしての自覚と弛(た)るみなき向上心を求める。だが、厳しさだけで選手を走らせることは難しく、チームを掌握することはまず不可能だ。ピッチに注がれる視線は厳しくも、その奥には温かみと成長を見守る根気強さがある。また、欧州サッカーに精通する、国内屈指の理論派でもある。トップレベルのサッカーを常に意識し、現地に足を運んで得た知見が言葉を裏付ける。
経営危機によってクラブの根幹が揺らぐ中、東京ヴェルディは懸命の戦いを続けている。川勝監督はチームをどのように導こうとしているのか。これまでを振り返るとともに、苦境を抜けた先にあるものを聞いた。
全員がチームのためにプレーできるかどうかが重要
第29節終了時点で、3位アビスパ福岡と勝ち点6差の5位に付けています。開幕前の下馬評は低く、この順位を予想していた人はほとんどいなかったでしょう。
【川勝】昨シーズンと比べて戦力がダウンし、取り巻く環境面も厳しくなっていることは確かです。開幕前の宮崎キャンプで感じたのは、ベテランがしっかりしていること。中でも土屋(征夫)、菅原(智)といった選手は(以前に指導したことがあり)、こちら側が情報を把握している。あとは若い選手たちがどれだけ伸びてくるか、と考えていました。チームのベースを築くのは、普段のトレーニングに懸かっています。年間の試合数を日数に換算すると1カ月程度。残りは練習に費やされる。だからこそ、トレーニングに100パーセントの力で向き合う姿勢を貫いてほしいと選手には言い続けてきました。そうすれば個人が伸び、チームが成長する。理想的なグループになりつつあると感じています。
お金をかければ強いチームができるわけではありませんが、それでも基本的にクラブの経済力とチーム力は比例するのでは?
【川勝】本来ならばね。世界的に見ても、お金をかけて選手を集める手法は間違いではない。ですが、そこで同時に起こるのは、グループをまとめる難しさ。サッカーはチームスポーツだから、全員がチームのためにプレーできるかどうかが重要になります。自分が中心だと主張する選手が複数いた場合、支障が生じてくるわけです。ヴェルディにもその気になれば中心としてプレーできる力量を持つ選手はいますよ。ただし、彼らは決してチームよりも自分を優先しようとはしない。その違いが大きい。戦力ダウンはしたけれども、チームを作り直すには逆にチャンスだなと思いました。








