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えのきどいちろう流 検討にあたいする
【えのきどいちろう】'59年、秋田県出身。中央大学在学中の'80年、『宝島』誌にて商業誌デビュー、以後、フリーのコラムニストとして数多くの新聞・雑誌で健筆をふるう。'01年、『ワールドカップジャーナル』(スカパー)のMCを務め、又、『サッカーマガジン』の連載を開始し、人気を博す。好きなお寿司はカンパチ。

第485回 toto|J1第34節/J2第38節

二度と見られない今季のチームへ
最終節、誰も悔いを残すことなかれ!

2010年12月02日

 知り合いの湘南サポからメールが届いた。ちょっと泣けるんでおすそ分け。

 「えのきどさん、僕らのJ1での旅も今週末の新潟であっという間に終わりを迎えます。闘将田村雄三を勝利で送り出せなかったホーム最終戦、雄三コールはいい歳こいて悲しくて切なくて涙でぐしゃぐしゃでしたよ。もちろん土曜日は今年最後の湘南のサッカーを見に行きます。JR東日本の『日帰り新潟鮨三昧』15400円利用のばたばたツアーですので、ご挨拶もままならないかもしれません。また、いずれ!」

 世間は当然、神戸かF東京かとJ1降格の最後のひとワクに注目する。実際、濃密なドラマが展開されるでしょう。神戸は京都、F東京は浦和っていう近いエリアの仇敵に期待しなきゃならない構造も味わい深い。

 だけど、知人の湘南サポのように誠実にシーズンを締めくくろうとする人もいるんですよ。僕は美しい姿だと思う。美しいんだけど、新潟で鮨食ってくる気だなとも思う。こう、最後、サポ仲間が打ち上げしてる情景が浮かぶでしょう。チームもサポも、力いっぱい戦った。おつかれさんって。

 たぶん湘南に限らずみんなそうだと思う。最終節の主旋律は惜別の情ですね。ほとんどのチームが見納めになる。選手が移籍したり、退団したり、二度と同じチームは見られない。それはニュースで騒がれてる横浜Mだけじゃないんだなぁ。

 そういうことは当然、選手も感じてると思います。既に戦力外が告げられてるとこも多い。このチームで、このメンバーでサッカーするのは(天皇杯に残ってないケースですけど)今日が最後だ。そう思ってプレーする。成績とは別に、チームがまとまってるかいないかって要素があります。僕は最後はまとまってるとこが強いと思う。そりゃ誰だって好きなチームは勝って締めくくりたいでしょう。いい思い出を残したい。

 今年は夏が暑くて、日程が過密で大変だった。それを乗り越えてきた仲間です。ピッチの上も、スタンドも、そういう感情に包まれると思う。好ゲームを期待したいですね。誰も悔いを残すことのないように。

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